Column ー 岡田コラム

2006.06.14

とらふぐと合歓の葉。
駅から家に帰る途中にとらふぐのお店ができた。
入り口の横に水槽があって、とらふぐたちが悠々と泳いでいる。
その泳ぎを眺めるのが日課になった。
けっこう怖い顔をしている。
真っ白いはらわたに入った真っ黒い斑点も強烈なインパクトを与える。

子供のころ、ふぐはユーモラスな存在だった。
父親にハゼ釣りに連れていってもらったとき、よくふぐが釣れてしまった。
針を外そうとこわごわさわると、ぷーっと風船のように腹をふくらませて怒った。

そのときのふくらんだ白さを表現したかった。
素焼きの後、黒天目という釉薬でふぐの黒い斑点を描いた。
その上に最近こだわっている、ぼてっと白くなる長石釉を厚く掛けた。

庭から合歓の葉を折って、急須の口に生けた。
とらふぐと合歓の葉は、仲良しだろうと勝手に思ったからだ。

とらふぐ急須制作メモ
とらふぐ急須制作メモ

copy&photo/Kunitaka Okada design/Junichi Kitagawa