Column ー 岡田コラム

2007.08.01

使い手の視点。
最近、磁器で急須をつくった。
カタチをつくるのが難しかったが、まあ、それなりにできた。
ちょっとした冷たさがあるものの完成された仕上がり感がある。
それに比べ、陶器、いわゆる土ものは、できあがって終わりではない。
今度は使い手が器の美しさを引き出していく。
吸水性があり、うわ薬の細かい貫入が入るため、器の表情が変わっていく。
やがて、数百年後に使い手と器との交流で味わい深い作品になっていくのだ。
作者がいなくなって、使い手も変わっていって、その器が壊れるまで、
それ自身が美しさをめざして変化していく。
こう考えると、陶器作りの魅力は果てしない。そしておもしろい。

いままで湯呑をいくつかつくったが、今度は本格的な茶道具の華、抹茶茶碗に挑戦した。
自分としては、最高の出来だと思った。
両手にぴたりと収まる感じ、カタチ、色、渋さ、どれをとってもわびさびの世界だ。

ある日、家に帰って、愕然とした。
世界に一つの抹茶茶碗が、植木鉢に変貌していたのだ。

copy&photo/Kunitaka Okada design/Junichi Kitagawa