Column ー 岡田コラム

2007.12.07

アクシデントの連続。
アクシデントと聞けば、すぐ事故や災難を連想する。
違う。ここでは思いがけないロマンチックな出来事の意味である。
工房の熊さんは、いつも土をその種類別に区分けしてくれる。
そしてちょっと大き目の羊羹ぐらいに切断してくれるのだ。
今日は赤でいくか白でいくか、それとも古信楽にするか、
土の入った箱の中からその羊羹を何本か取り出し練りに入るのである。
ふとそのときその羊羹のカタチがそれぞれ微妙に異なっているのを発見した。
発見はオーバーな言い草だけどともかく美しいと感じたのだ。
このカタチをできるだけ生かして何かつくれないか、
そう思って、この花器をつくった。
羊羹の積み木を積むというより、その積み木同士を強引にくっつける要領で
外壁をつくっていった。
アクシデントという偶然の力強さを表現した。
気に入らない部分は削り落とし、でもその削りカスは王冠のように載せた。
数ヶ月して焼きあがった。
見事な出来栄えだ、と思ったが、それは思い違いだった。
釜の中でまたもやアクシデントが起きたのだ。
これまで見たことがないような見事な亀裂が入っていた。
これは事故じゃない、災難じゃない。
火の神様が舞い降りてアートしてくれたのだ。
なんてロマンチックな出来事。

copy&photo/Kunitaka Okada design/Junichi Kitagawa